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2025.10.09

  • コラム

CNC自動旋盤と小ロット対応 ─ 大ロット24時間稼働工場との差別化とは?

1. 大ロット・24時間稼働が当たり前の現場

CNC自動旋盤はバー材を連続的に加工できるため、大量生産に最適化された機械です。そのため、多くの工場では 「数千〜数万個単位の案件を24時間体制で稼働させる」 ことを前提にしています。効率とコストを重視する体制では、小ロット案件は敬遠されやすいのが現状です。

 

2. 小ロット対応のメリット

小ロット対応には、発注者にとって大きな利点があります。以下、それぞれ詳しく解説します。

(1) 在庫リスクの低減

大量発注をすれば単価は下がるものの、結果的に余剰在庫を抱えるリスクが高まります。市場の変化が速い現代では、“必要な数量だけを発注できる”小ロット対応は在庫リスクを最小限に抑える手段となります。特に製品サイクルの短い分野では極めて有効です。

(2) 試作・検証段階でのスピード対応

小ロット対応は、開発段階の試作や改良に適しています。試作品を早期に入手し、検証を繰り返すことで、市場投入までのスピードを大幅に短縮できます。
「図面どおりに仕上がるか?」「量産に耐えられるか?」といった疑問を、試作段階で小ロット加工により解消できる点は大きなメリットです。

(3) 高精度・安定した品質

CNC自動旋盤は数値制御で動くため、ロット数が少なくても寸法精度は安定しています。大量生産だけでなく、小ロットでもブレの少ない加工結果が得られる点は、特に医療機器や精密部品など高精度を要求される分野で強みとなります。

(4) 柔軟な対応力

小ロット対応が可能な工場は、多品種少量生産のニーズにマッチしています。
農機具部品・医療機器部品・産業機械部品など、分野ごとに異なる仕様や材質に対しても、数量が少ないからこそきめ細かい対応がしやすいのも魅力です。

 

3. 小ロット対応のデメリット

一方で、小ロット対応にはいくつかの課題も存在します。発注者にとっても工場にとっても共通する現実であり、これを理解しておくことは非常に重要です。

(1) 単価が高くなりやすい

小ロットの場合でも段取りやプログラム作成といった準備工程は必要です。そのため、製作数が少ないほど1個あたりの単価は高くなる傾向があります。特に10個以下の超小ロットでは、見積金額が思った以上に高いと感じられることがあります。

(2) 生産効率が下がる

CNC自動旋盤は本来、大ロットで効率を最大化する設備です。少量生産に切り替えると、段取り替えや試作検証のために稼働率が下がることが避けられません。
そのため、工場側にとっては効率を犠牲にする覚悟が必要であり、結果的に納期や価格に影響する場合があります。

(3) 設備占有時間の問題

小ロット案件であっても、設備は一定時間を占有します。結果として、他の大ロット案件との兼ね合いでスケジュール調整が難しくなる可能性があります。特に急ぎ案件では、発注者と工場双方の柔軟なコミュニケーションが必要です。

(4) 加工条件がシビアになる場合も

試作や少量生産では、材質や形状のクセが十分に把握できないまま進行するケースがあります。**「量産してみないと見えない不具合」**が小ロット段階では潜んでいることもあり、その点は注意が必要です。

 

まとめ

CNC自動旋盤は「大ロット・24時間稼働」が当たり前の業界において、小ロット対応を打ち出すことには大きな意味があります。

・メリット:在庫リスクの低減、試作スピードの向上、高精度加工の安心感、多品種対応の柔軟性

・デメリット:単価が高くなる傾向、生産効率低下、設備占有の制約、加工条件の不確実性

こうしたメリットとデメリットを正しく理解したうえで、小ロット対応を得意とするパートナーを選ぶことが、発注者にとって大きな安心につながります。
その安心を提供できるのが、明光製作所です。

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