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2026.10.27

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すきまばめ・中間ばめ・しまりばめとは?3種類の違いや用途を解説【JIS B 0401】

機械部品の設計や製作では、穴と軸を組み合わせる際に「すきまばめ」「中間ばめ」「しまりばめ」という3種類のはめあいが使用されます。

 

これらは、穴と軸の寸法関係によって分類され、部品の組立精度や動作、固定方法などに大きく関係します。

 

例えば、軸を滑らかに動かしたい場合と、軸を穴に圧入して固定したい場合では、必要な寸法関係が異なります。

 

今回は、JIS B 0401に基づき、3種類のはめあいの違いや特徴、代表的な組み合わせ、具体的な寸法計算について解説します。

 

 

1. はめあいの3種類とは?

 

はめあいとは、穴と軸を組み合わせる際の寸法関係を表すものです。

 

JIS B 0401では、穴と軸の寸法許容範囲の関係によって、はめあいを次の3種類に分類しています。

 

種類 特徴 主な用途例
すきまばめ 穴と軸の間にすきまが生じる 回転軸、摺動部品
中間ばめ すきま、またはしめしろが生じる 位置決め部品、精密な組立部品
しまりばめ 穴より軸が大きく、しめしろが生じる 圧入部品、固定用部品

 

※すきまばめには、最小すきまが0となる組み合わせも含まれます。

 

それぞれのはめあいには異なる特徴があり、部品に求められる機能に応じて選定することが重要です。

 

 

2. すきまばめとは?

 

すきまばめとは、穴の寸法が軸の寸法以上となり、組み合わせた際にすきまが生じるはめあいです。

 

穴と軸の間にすきまがあるため、比較的容易に組み立てることができます。

主に、軸を回転させたり、部品を滑らせたりする箇所などに使用されます。

代表的な組み合わせには、次のようなものがあります。

 

・ H7/g6
・ H7/h6
・ H7/f7

 

すきまばめの寸法例

 

例えば、φ20 H7の穴とφ20 g6の軸を組み合わせる場合を考えます。

 

φ20 H7(穴)

・最大許容寸法:20.021mm
・最小許容寸法:20.000mm

 

φ20 g6(軸)

・最大許容寸法:19.993mm
・最小許容寸法:19.980mm

 

この場合、最小すきまと最大すきまは次のようになります。

 

最小すきま:

20.000 − 19.993 = 0.007mm

 

最大すきま:

20.021 − 19.980 = 0.041mm

 

したがって、理論上のすきまは0.007~0.041mmとなります。

 

このように、すきまばめでは穴と軸の間にすきまが確保されるため、回転や摺動を必要とする部品などに適しています。

 

ただし、実際の動作には表面粗さや形状精度、潤滑状態なども関係するため、寸法公差だけで判断することはできません。

 

 

 3. 中間ばめとは?

 

中間ばめとは、穴と軸の寸法の組み合わせによって、すきまが生じる場合と、しめしろが生じる場合があるはめあいです。

 

すきまばめとしまりばめの中間的な性質を持ち、主に部品の位置決めや精密な組み立てなどに使用されます。

 

代表的な組み合わせには、次のようなものがあります。

 

・H7/js6
・H7/k6
・H7/n6

 

中間ばめの寸法例

 

φ20 H7の穴とφ20 k6の軸を組み合わせる場合を考えます。

 

φ20 H7(穴)

・最大許容寸法:20.021mm
・最小許容寸法:20.000mm

 

φ20 k6(軸)

・最大許容寸法:20.015mm
・最小許容寸法:20.002mm

 

この場合、最大すきまと最大しめしろは次のようになります。

 

最大すきま:

20.021 − 20.002 = **0.019mm

 

最大しめしろ:

20.015 − 20.000 = **0.015mm

 

つまり、実際の穴と軸の寸法によって、最大0.019mmのすきま、または最大0.015mmのしめしろが生じます。

 

このように、中間ばめは寸法の組み合わせによって組立状態が変わるため、用途に応じた適切な公差の選定が必要です。

 

 

4. しまりばめとは?

 

しまりばめとは、穴の寸法が軸の寸法以下となり、組み合わせた際にしめしろが生じるはめあいです。

 

しめしろとは、組み立てる前の軸の直径が穴の直径を上回る寸法差のことです。

 

一般的には、圧入や焼きばめなどの方法によって組み立てられます。

 

主に、軸と部品を固定したい箇所や、部品同士の相対的な動きを防ぎたい箇所などに使用されます。

 

代表的な組み合わせには、次のようなものがあります。

 

・H7/p6
・H7/r6
・H7/s6

 

しまりばめの寸法例

 

φ20 H7の穴とφ20 p6の軸を組み合わせる場合を考えます。

 

φ20 H7(穴)

・最大許容寸法:20.021mm
・最小許容寸法:20.000mm

 

φ20 p6(軸)

・最大許容寸法:20.035mm
・最小許容寸法:20.022mm

 

この場合、最小しめしろと最大しめしろは次のようになります。

 

最小しめしろ:

20.022 − 20.021 = **0.001mm

 

最大しめしろ:

20.035 − 20.000 = **0.035mm

 

したがって、理論上のしめしろは0.001~0.035mmとなります。

 

このように、しまりばめでは穴より軸が大きくなるため、組み立て後に部品同士を固定することができます。

 

ただし、しめしろが大きすぎると、組立時の負荷が増加したり、部品が変形・破損したりする可能性があります。

 

そのため、材質や形状、使用条件などを考慮して適切なはめあいを選定することが重要です。

 

 

5. 3種類のはめあいの寸法比較

 

ここまで紹介した3種類のはめあいについて、φ20を例に比較します。

 

基準寸法:φ20mm

穴の公差:H7(20.000~20.021mm)

 

はめあいの種類 組み合わせ 軸の許容寸法(mm) すきま・しめしろ(mm)
すきまばめ H7/g6 19.980~19.993 すきま 0.007~0.041
すきまばめ H7/h6 19.987~20.000 すきま 0~0.034
中間ばめ H7/k6 20.002~20.015 最大すきま 0.019/最大しめしろ 0.015
しまりばめ H7/p6 20.022~20.035 しめしろ 0.001~0.035

※単位:mm

※上記は基準寸法φ20mmの場合の数値です。基準寸法が変わると、寸法許容差も変わります。

 

同じH7の穴であっても、組み合わせる軸の公差記号によって、すきまばめ・中間ばめ・しまりばめのいずれになるかが変わります。

 

なお、はめあいの種類は公差記号だけで一律に決まるものではなく、基準寸法に応じた実際の許容寸法から確認する必要があります。

 

 

6. はめあいと切削加工の関係

 

はめあいは、切削加工における寸法管理や品質管理にも大きく関係します。

 

例えば、CNC自動旋盤で軸を加工する場合、指定された寸法公差の範囲内に仕上げる必要があります。

 

特に、しまりばめや中間ばめに使用する部品では、わずかな寸法差によって組立状態が変化する場合があります。

 

そのため、切削加工では次のような点に注意が必要です。

 

① 工具摩耗による寸法変化

 

切削工具は加工を続けることで摩耗し、製品寸法に変化が生じる場合があります。

 

特に量産加工では、工具摩耗による寸法変動を考慮した管理が重要です。

 

② 加工時の温度変化

 

切削加工では、加工熱や周囲の温度によって製品寸法が変化することがあります。

 

厳しい寸法公差が指定された部品では、温度の影響にも注意が必要です。

 

③ 真円度や円筒度などの形状精度

 

はめあいでは、直径の寸法だけでなく、真円度や円筒度などの形状精度も重要です。

 

寸法が許容範囲内であっても、形状にばらつきがあると、組み立てや動作に影響する場合があります。

 

④ 表面粗さの影響

 

穴や軸の表面粗さも、はめあいの性能に関係します。

 

特に圧入部品では、組立時に表面の微細な凹凸が変形することがあり、実際の接触状態や固定力に影響します。

 

このように、はめあい公差を満たすためには、寸法管理だけでなく、加工条件や形状精度、表面状態なども考慮する必要があります。

 

 

7. はめあいを選定する際の注意点

 

はめあいを選定する際には、部品の用途や必要な機能を十分に考慮することが重要です。

 

例えば、回転や摺動が必要な部品では適切なすきまが必要となり、固定を目的とする部品では必要な保持力が得られるしめしろを検討する必要があります。

 

また、必要以上に厳しい寸法公差を指定すると、加工時間や検査工数が増加し、製造コストが高くなる場合があります。

 

一方、公差が適切でない場合には、組立不良や動作不良などにつながる可能性があります。

 

そのため、部品の使用目的や加工方法を考慮し、適切なはめあい公差を設定することが重要です。

 

 

8. まとめ

はめあいには、「すきまばめ」「中間ばめ」「しまりばめ」の3種類があります。

 

すきまばめは、穴と軸の間にすきまが生じる組み合わせで、回転部品や摺動部品などに使用されます。

 

中間ばめは、寸法の組み合わせによってすきま、またはしめしろが生じるもので、位置決め部品などに使用されます。

 

しまりばめは、穴より軸が大きくなる組み合わせで、圧入部品などの固定に使用されます。

 

それぞれの特徴を理解し、部品の用途に応じた適切なはめあいを選定することが重要です。

 

株式会社明光製作所では、CNC自動旋盤やNC旋盤による精密切削加工を行っております。

 

精密切削部品の製作や量産加工について、お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。

 

[お見積もり・お問い合わせ — 株式会社明光製作所]

 

参考規格:JIS B 0401-1、JIS B 0401-2

 

※本記事の寸法数値およびはめあいの組み合わせは、JIS B 0401に基づき独自に編集した参考資料です。実際の設計・製作にあたっては、適用する規格の最新版および図面指示をご確認ください。

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